君へ

 

君はどうして立ち止っている

 

闘うことも逃げることもしないで

 

何故そこに突っ立っている

 

動くことができないで

 

 

 

生命が芽吹いて花々が咲き乱れて

 

草木は成長して

 

やがて年老いて

 

次の生命をつないでいく

 

 

 

君だけがひとり立っている

 

永遠に変化する

 

同じ巡りの季節ではない

 

そんな中で変わらないものを見つけようとして

 

 

 

君はどうしてひとり立っている

 

ふりかえれば僕がいるのに

 

どうしてひとりだと泣いている

 

苦しさから逃げようともしないのに

 

 

 

ともすれば崩れ落ちそうになるそのひざで

 

ありったけの勇気をもって

 

必死に立ち続けている

 

君はどうして平気な顔を装う

 

 

 

本当はほんとうは

 

様々な思いに打ちのめされて

 

こらえて口をつぐみ

 

何もないのだと

 

空虚な存在なのだと

 

君はどうして震えている

 

 

 

閉じた目を開いて

 

見ようとそう君が思えば

 

僕はいつもそこにいるのだと

 

変わらないものはそこにあるのだ

 

君は何度でも立ち上がり続けている

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