真白の月
濃青の空の色に
片足の靴を拾うのは誰
やわらかな髪に
花のような手足
瞳は澄んだ滴のよう
私の靴を拾うのは誰
窓の外から
のぞける星々は
私が持つどんな宝石よりも
美しい
灰にまみれて
黄金の城を見つめる
あの城で踊るどんな娘よりも
私の方が美しい
靴に一瞬の光を見つけるのは誰
薄桃の透明な
壊れやすいガラスの箱に
燃える真紅の炎は
私には見えない
地に落ちひび割れた靴に
何にも代えられない価値を見出すのは誰
その鏡に
真の私をうつしだすのは誰
真白の月に
白く輝く
はかない夢の靴を拾うのは誰
もどる