ヒヤマフトヒト2
ふっきー
高校生活二日目。昨日衝撃的な(すぎる)話を聞かされ、入学早々学校への足取りが重い・・・。二日目でこんなんじゃあ3年間やっていける気がしない。サボり魔よのび太くんでさえアニメじゃあ30年以上学校行き続けてるよ。小5に負けちゃダメだろ。と思いつつ、教室へ入る。そこには1人しか人がいなくて…
「おはよう、備中くん」
「おはよう茶柱ってうおおおおおお!?」
と、例の女子高生、茶柱詣を見ると、目の下が真っ黒になっている。
「どうした、甲子園でデーゲームでもするのか?」
「しません」
「新しいメイク?」
「違うわよ」
「あの顔出しNGの容疑者の目の所にある黒い横線がちょっと出張して目の下に降りてきた?」
「給料でないだろうから出張しません」
「で、どうしたんだよ茶柱、入学早々。目の下にクマなんか飼って」
「最初からクマってわかってるじゃん…まあね、ちょっと夜更かししてしまったのよ」
「まさか勉強でもしてたのか?」
「コホン。」
…と咳払いをする茶柱詣。
「私、茶柱詣は…AKB48を…卒業します!」
「ど、どういうことですか!茶柱さん!解散の理由は!」
「メンバーとの音楽性の違いです」
「出たよ、それバンドがよく解散するときに言うやつだよ。てかAKBバンドじゃねえよ。音楽性の違いってか音楽作ってるの秋元さんだろ」
「男女比が3:1のバンドって大抵男のうちの一人と女が付き合って解散するわよね」
「いやAKBは全員女性ですけど!?」
「ということはAKBは言うなれば男女比1:48+αのバンドね」
「その一人の男って秋元さんかよ。てかバンドじゃねえよ」
「で、話を戻すけど、ちょっと夜中までアニメとか見てたのよ」
「へえ…チャゲもアニメとか見るんだ…どんなアニメ?」
「BL」
「そうか…そちらに目覚めてしまったか…昨日までのチャゲはもういない…我々は惜しい人を亡くしてしまった…」
「待って、話を聞いて。昨日家に帰ったらね、疲れて寝ちゃったのよ」
「ん…まあ普通だな」
「そしたら夢に何故か「裸体の」神様と思わしき人が出てきてね…」
「待て待て待て」
「その人が私にBLの素晴らしさを伝えていったのよね…」
「どんな神様だよ」
「そして…目覚めると私は腐女子になっていた」
「かっこいい!言い方かっこいいけどなっていたものおかしい!! 疲れて寝たんじゃなくて寝てる間にBLの神に憑かれたんじゃねえの?」
「今度からその神様のことはBL神と呼びなさい」
「だせえ!」
「じゃあBoys Love God、BLGね」
「…」
「腐女子を舐めないでよ?腐女子は世界を救う救世主なのよ?」
「救世主じゃなくて求精種だよ!ホモホモした精を求めちゃってるよ!」
「今度から下ネタ言っちゃうかもしれないけど気にしないでね」
「気にするわ!!」
いやダメだろ下ネタ言っちゃあ。いろいろダメだろ。
「何よ、備中君だって名前下ネタっぽいじゃない」
「んなわけあるか!!!どこがだよ!!」
「備中 びっちゅう ビッチュウ ビッチ」
「さっそく下ネタかよ!!あとビッチは女に向ける罵倒だからな!?」
ーーふと、疑問に思ったことがある。何もかも疑っている系女子、茶柱詣。さっきは彼女はアニメとか神様とか言ったが、それらのことはどう思っているのだろうか。
「なぁチャ…」
「心配しないで。私が疑っているのは三次元よ。二次元と三次元の区別はしてるから。」
「心を読まないでくれませんか…」
ふむ、フィクションである二次元はそもそも疑う余地もないということか…なるほどな。
「神様なんていないのよ…」
「チャゲ…?」
何やら悲痛な面持ちでつぶやくチャゲ。
過去に何かあったのか…?
「こんなトーンで言うと過去に何かトラウマがある少女みたいになっていいわね」
「嘘かよ!」
「まぁ過去に色々とあったのは否定しないわ」
「そ、そうなのか」
「そのせいでこんな性格になった…のかもしれないわね」
「そもそもなんでそんな疑い症になったんだよ?」
「そうね…それは…」