ここにある世界


    夢未リト


例えば、


部屋の扉を開いたら

大好きなモノばかり溢れてるような

嫌なモノ、嫌なコト、全部忘れられる

そんな世界があったら、なんて


一日、また一日、過ぎ去ってゆく

毎日を埋めてゆく苦しみ、悲しみ

全部全部なくなったような

そんな場所へと、行けたらいいな

なんて


無いの、叶わないの、知ってるけど

もうやだって逃げたいって願ってしまうんだ

それでも、耳を塞いで目を閉じた

真っ暗闇の中で泣いたって、泣いたって―


変わらない世界と終わらない世界に

今も生きているの、分かってるでしょ?

続いてく世界を繋げてく、その先

完全、カンペキじゃなくたって

つまづいたって迷ったって

今ここにある、自分の心の中の

「大切」を「大好き」を信じ、進めばいい


描いたような、望んだような

世界は―


きっと、ここにある。