君と歩いた空の下
夢未リト
今日の空には、風に舞う桜の花びら。
―また一緒だな、よろしく!
嬉しい、あたたかい、こんな時間が続くと信じていた。
今日の空には、眩しい太陽と流れる雲。
―来年も、また皆で遊びに行こう!
輝く君の笑顔に、雲がかかったような気がした。
今日の空には、薄く広がる秋の雲。
―「嫌い」とか「馬鹿」って言っちゃうのは、「大好き」ってことなんだってよ!
あの日言いかけた言葉をつぶやき、見上げた雲は青空を覆い隠していた。
今日の空には、真っ白な雪。
―最っ高の誕生日だよ、俺今、すっごい幸せ!
そう言って笑った君に降り積もった雪は、今日のものほど重たかっただろうか。
次の日の空には、重たい雲と大粒の雫。
去年と同じ、せつなげな雨が降っている。
「……今日で、丁度一年だね」
手にした花束は、傘を差していたはずなのに濡れていた。
「……ばーか」